オーブン内の温度と湿度を保つ実験|フランスパン作り

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今日焼いたパンはいつになく大成功。

クープがめりっと割れて美しく焼き上げることができました。いつもはどうかというとですね、右2つがここ最近のダメだったやつ↓。

真ん中のは粉振り忘れてます。

作る工程で、これまでと変えたところは温度と湿度の管理です(それだけが成功の原因とも言い切れませんが…)。

普段はオーブンの発酵機能(35℃)を使っています(うちのオーブンの最低設定温度)。フランスパンには35℃は高すぎるということは分かっていたのですが、調整が面倒だったので…。しかし今回は温度が30℃前後になるようにキープしました。温度が高くなりそうな場合はオーブンを切り、低くなってきたらまたスイッチを入れる、といった感じです。

温度管理はオーブン内に室温計を入れて計りました。

湿度は70%前後になるよう、濡れ布巾を入れたり出したりして調整しました。

これまで、オーブン発酵機能の35℃では温度高すぎ、湿度も高すぎで、過発酵になっていたのかもしれません。濡れ布巾をかぶせるようになったのは、冬場は乾燥して生地表面が乾いてしまったことがあったからなのですが、湿度が高ければいいかというとそうでもないようです。

『パンづくりに困ったら読む本』によると発酵に適した湿度は70~75%となっています。ネットで検索してみると70~80%をすすめるページが多いようでした。

ボウルに濡れ布巾をかぶせて発酵中の湿度を計ってみたところ、90%でした。この頃生地がべたついて扱いにくいと思っていたのですが、乾燥する季節になって濡れ布巾をかけた結果、逆に湿度を高くしすぎてしまったのが原因かもしれません。

オーブン庫内の温度と湿度の変化を見る実験

温度・湿度を一定に保つのは難しいです。オーブン内の温度と湿度を確認するのにつきっきりになるのはできれば避けたいし、扉の開け閉めも最小限にしたいので、なるべく長く温度湿度を保つ方法を探ってみようと実験することにしました。

うちで普段作っているレシピは一次発酵90分、パンチをし、さらに60分発酵、という手順なので、できれば90分くらいは程よい温度と湿度を保ちたいと思います。温度は30±2℃湿度は75±10%を目標値として、色々な条件で試してみました。

実験の方法

オーブンを30℃に余熱し、お湯を入れたコップを庫内に入れて、10分おきに温度と湿度を記録します。庫内が28℃以下になるまで続け、その間オーブン扉は開閉しません。

湯温50℃と80℃(ふたなし)

直径7.5cm高さ9cmのコップに9分目くらいまでお湯を入れます。お湯の温度はひとまず、50℃と80℃の2つで試すことにしました。

結果がこちら。まずは温度から。

 温度の変化 開始 10分後 20分後 30分後 40分後 50分後 60分後 70分後 80分後
50℃ 30.6 29.6 29.4 29.0 28.5 28.0 27.4
80℃ 30.4 31 32.1 31.9 31.3 30.3 29.4 28.6 27.9

太字は目標とする28~32℃の範囲にあるものです。「50℃」は保温に関しては50分ほどしか持ちません。「80℃」はコップの熱で温度が上がりすぎていますが、長時間に渡って保温ができています。

次に湿度を見ていきます。

 湿度の変化 開始 10分後 20分後 30分後 40分後 50分後 60分後 70分後 80分後
50℃ 27 69 81 82 83 83 87
80℃ 36.0 89.0 92.0 88.0 84.0 84.0 85.0 86.0 87.0

「50℃」は目標の湿度65~85%に収まっている時間が長いです。しかし、温度が下がるのが早かったのが気になります。

温度に関しては「80℃」は保温性能が高いということが分かったので、温度は80℃のままで湿度を調整するようにしたいと考えました。

湯温50℃と80℃(ふたあり)

湿度が上がるのはお湯から出る蒸気のためなので、蒸気の量を調節するためにコップの口を一部ラップで覆ってふたをし、同じ実験をしました。

左は1/3くらいすき間を開けてラップをかけています。右はそのすき間をさらに小さくしたもので、右上の部分だけ開いています。お湯の温度はどちらも80℃です。便宜上、「80℃すき間大・小」と呼ぶことにします。

結果がこちらです。

温度の変化 開始 10分後 20分後 30分後 40分後 50分後 60分後 70分後 80分後 90分後
80℃すき間大 30.3 31.9 32.4 31.8 31.3 30.4 29.7 28.8 28.4 27.8
80℃すき間小 30.3 31.8 32.4 32.3 31.8 31 30.3 29.6 28.9 28.3

温度は、目標の28~32℃の範囲に大体おさまっています。問題は湿度ですが、意外な結果になりました。

湿度の変化 開始 10分後 20分後 30分後 40分後 50分後 60分後 70分後 80分後 90分後
80℃すき間大 48 83 82 78 75 77 78 79 81 81
80℃すき間小 30 58 57 52 48 44 42 41 41 41

「80℃すき間大」は、目標の湿度65~85%に収まる理想的な数値になりました。ところが「80℃すき間小」は湿度60%にも届きませんでした。

実は、表から分かるように、開始時の湿度に差がありました。一つの実験が終わってから次に移るまでの間、オーブンをしばらく開け放して湿度を下げていたのですが、下げ方が不十分なまま「80℃すき間小」の実験に移ってしまったのです。

最初の湿度が低いので「すき間小」の蒸気では十分に湿度が上がらなかったようです。

しかしこのことから、開始時に48%程度の湿度であれば「80℃すき間大」で90分間に渡って適度な温度と湿度が保たれる、ということが分かりました。ちなみにこの実験中の室温は22~23℃くらいでした。

数値グラフ

実験の数値をグラフにしてみました。背景色の部分が今回目標とした温度と湿度の範囲です。

緑色の「80℃すき間大」がちょうどよさそうなことがグラフからも分かります。

最後に

というわけなので、次回のパンの発酵時には80℃のお湯を入れたコップの2/3くらいにふたをしたものを庫内に入れてうまくいくかどうか見てみたいと思います。

参考までにうちのオーブンのサイズです。

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